たりぃさんの山旅

山旅を愛するたりぃさんが超軽量の道具とデジタルガジェットを使って奥深い山域を旅します

南東北ローカル線の旅。もう二度と見れないかもしれない風景。米坂線・磐越西線の記憶

20226月に行ったこの旅のことは、自分の中の密かな楽しみとして取っておくつもりでした。しかし、83日から山形県の真ん中に位置する朝日連峰をめがけて大量に降った大雨の影響で、辺り一帯が今まで見たこともないほどの被害が出てしまい、米坂線磐越西線も不通となってしまいました。

わずか2ヶ月後にこんなことになってしまうなんて信じられないのと同時に、また行こうと思っていたけれども、JR各社がローカル線赤字が悪のような報道が多数出している中、もう次はいつ行けるかわからない状況になってしまい、せめて記録に残して置きたいと思ったのがこのブログを書いたきっかけです。

僕は鉄道ファンの中ではいわゆる「乗り鉄」と言われるカテゴリに属しますが、その中でも、いわゆるローカル線における「気動車」と「車窓」、「地元名産のおつまみ」がブレンドされた路線を特に好みます。これに合致するのは磐越西線でも非電化区間である、新潟駅から会津若松駅間しかないと昔から知ってはいたのですが、あまりにもアクセスも乗り継ぎも悪すぎてどうにもこうにも行けていなかった路線の一つです。唯一乗ったのは、2018年に飯豊連峰登山に行く際に、会津若松駅から山都駅までの2駅に乗りました。あのときは錆びて引退間近のキハ40でした。すごく良かったなぁ。

その時の記録はこちらです。一番最後にキハ40の勇姿が写っています。

もっとも、好きな乗り物で行く自然の中の旅が好きなので、いわゆる三脚立てての本格的な撮り鉄や、速すぎて景色が楽しめない新幹線、オトクなゴリ押しパックツアー、定番商品ばかりで肝心のローカルフードが売っていない車内販売、といったものにはほぼ全く興味がありません。

今回、同じく乗り鉄のワタクシの母も行ったことがないという東北の路線を、死ぬ前に一度は巡りたい!というのがすごくわかるので、泊りがけでじっくり巡る旅を敢行しました。

米坂線の車窓

米沢駅

米坂線は、山形県米沢駅から新潟県坂町駅までをキハ110で運行しています。八高線とほぼ同じ車両ですね♪米沢駅の一番奥の4番線から米坂線の旅は始まります。発車の前にディーゼルエンジンをドルンドルン言わせてるのがたまりません。

米沢駅を出るといきなり田園風景。その向こうに美しい丘。昔あまりに美しくて投機の対象になったスキー場がありました。今では知っている人も少ないと思いますが。

米坂線に乗っていきなり呑み鉄ですが、こちらは山形県河北町谷地の「和田酒造」さんがつくるスパークリング日本酒bitts!です!出羽の里を使ったやさしい味わい。これありです。

車窓♪

今泉駅

途中の今泉駅で、向こうのホームにいるのは、フラワー長井線の車両。この電車も一度乗ってみたいのですが、荒砥駅で行き止まりなこともあって、なかなか機会がありません。今回もパスしました。

今泉駅を出ると小国に向けて山が深くなってきました。小川のせせらぎ♪

小国駅

小国駅でみなさんほとんど下車。実は戦前から工業の街で栄えています。

小国駅を出ると更に谷間が深くなって行きます。泳いだら気持ちよさそうな川。

赤芝峡

赤芝峡のあたりでは、もう秘境感が最高!!この縁は遊歩道があるのですが、手すりも何もなくて最高のスリルを味わえます。

この鉄橋、色と形が好み♪

右手に朝日連峰、左手に飯豊連峰の山々を感じながら山間部を分け入って走り、新潟へと向かいます。

時折並走する荒川がいい感じです。

越後金丸

越後金丸駅近くの荒川に架かる八ツ口大橋(だと思います)新潟県に入るとだんだん流れが緩やかになっていく。

越後関川駅

関川村まで来ると河口に近くなってきた雰囲気になってきます。このあたりも8月の水害で大変な被害をうけてしまいました。。

越後関川駅をすぎると本格的な田園地帯。昔から稲作で栄えたところですが、今回の8月の豪雨で水をかぶってしまいました。また、飯豊連峰の西の端でもあり、杁差岳への登山口でもあります。

坂町駅

向こうの端についた米坂線からホームを渡り羽越本線ホームへ。

なんと、13分後に新潟行きが来る!むかーしむかしは乗り継ぎが1時間半近くあったのですよ。

これが時刻表なのですが、一日にわずか6往復しかありません。しかも新潟駅まで直通するのはたったの1本。20数年前に新潟に住んでいたときは、直通列車自体がそもそもなく、乗り継ぎ時間が1時間30分とかザラでした。なので新潟駅山形駅間を運行しているバスばかり乗っていて、電車なんて乗ろうとも思っていなかったんですね。JR路線同士でもこんな状況で、本当に昔からやる気のないJR東日本という名の旧国鉄には呆れかえるばかりです。乗り継ぎもできず、駅前開発もせず、名物料理もお土産もなく、駅名の付け方さえも雑。本当にハードウエアしか整備する気がない。恥ずかしい。

 磐越西線の車窓 

新潟駅

2022年6月、長年工事で延々と乗り継ぎに歩かされて使いにくかった新潟駅がとうとうリニューアルオープンしました!新潟も何を食べても美味しいんですよね。でも長年新潟市に住んだ私が選ぶものは決まっています!それは。。

どど~ん!お寿司です!!

新潟と言えば南蛮海老!紋甲イカアオリイカ!生シラスも欠かせません!あと青さ汁と麒麟山。

麒麟山は、これから乗る磐越西線福島県境にある阿賀町で作られているシンプルな辛口のお酒ですが、料理とともに味わうのに最高に合います。県外では滅多に置いていません。特徴がなにかあるわけではないからなのかな。

新津駅

磐越西線は昔、新潟駅からもかなり発着していたようですが、今はほとんど新津駅になりました。新津は石油の里というところがあり、昔くるまや自転車で来たことがありますが、新津駅は降りたことがなかったので降りてみました。鉄道マニアには有名なことは知っていましたが、降りると早速ステンドグラスが眼の前にどーんと!SL三昧!!

どこもかしこもSLコンテンツであふれる新津駅前!蒸気機関車マニアにはたまらない駅でしょう。私は乗り鉄なので特に何も魂揺さぶられるものはありませんでしたが(^^;

さて、これから乗るディーゼルエレクトリック(電気式気動車)のGV-E400が入線してきました。今回初めて見ましたが、これはハイブリッド方式とは異なり、ディーゼルエンジンで発電した電力で直接モーターを駆動する新方式で、ハイブリッド特有の巨大な走行用蓄電池が不要で、既存の電車技術で運用が可能なことから、新潟・秋田地区で採用された方式で、独特な音をしながらやってきました。新津は新潟の一大ターミナル駅なのですが、待っている間に4台ものGV-E400を見ることができて大満足です。

新津駅を発車後、肝心の乗り味を確かめようとしていると、中学生がおもむろにスマホを取り出し、つり革に捕まりながら腕を伸ばしている。。盗撮してるの?まさか、とよく見てみると、排気口からなにやら音がしている。あ、なるほど、GV-E400の音をサンプリングしているようです。エンジンは小松製作所製の15.24リットル、4サイクル直列6気筒横形、ターボチャージャー、アフタークーラー付きだそうで、確かに聞いたことがない濃厚な音をして加速をしていきました。BMWの直6にターボがついている感じかな。そんなシルキーかつ15Lもあるので濃厚な音でした。V8エンジンとか積んだらどんな音がするんだろう。フェラーリの音がする電気式気動車とかあったら毎日乗りたいなぁ(^^;

なんの話をしていたっけ。

こちらに詳しく載っています。ハードウエアは運用も含めてパーフェクトですねぇ。さすがです。安全第一。それはそれでわかります。でも第二も欲しいですね。

咲花駅

新津市を出て五泉市を過ぎたあたり。新潟県のもう一つの大河、阿賀野川が見えてきました。実に美しい色をした川です!くるまでは何度か来たけど、列車で来たのは初めてです。

対岸には国道49線のシェルターが見えます。山からの雨水を川に流すためのアッパーパスがある。初めて見た。

ガタンゴトン、ガタンゴトン。いやあ、気動車って最高ですね~♪

運転席横でかぶりつき。乗り鉄三昧。

美しき大河の上を何度も横切る磐越西線。こんなに美しい車窓は見たことないかも。天気は悪いですが、天気良い日の景色を思い浮かべて感動してます。あ、釣り人がいる。浅瀬なんだ。

津川駅

津川の漕艇場。まもなく津川駅です。

津川駅に到着すると、乗っていた人たちが全員降りていく。みんな一眼レフぶら下げてる。老若男女全員。どうしたのか。しばらくするとSL(C57-180)に牽引された豪華な客車がやってきました。しかし客車はだれも乗っておらず、皆、ホームなどから撮影。どうやら撮り鉄の聖地のようです。へー、そうなんですねぇ。しばらくしたら誰も乗っていない列車が発車しました。

乗り鉄としては、ここからがいよいよ磐越西線の核心部の始まりですよ~。

麒麟

津川駅を出てすぐに、切り立ったすごい岩肌の山が見えます。ここが麒麟山です。向かって左側が登山道からの頂上で、右側が麒麟山城があった場所。まさに天然の要塞ですねぇ。越後の国にはこのような切り立った名も無い城址がたくさんあります。

阿賀野川

津川を出たあとも、何度も阿賀野川を超えます。昔、新潟でお世話になった上司が津川出身で、この山奥にある山荘に連れて行っていただき、魚を釣って骨酒をつくって頂いたり、ふきのとうを採って素揚げにしてくれたり、たいそう感動する旅を楽しませてくれました。そんな若かりし頃の思い出が蘇ってくる風景です。あのときも阿賀野川はたおやかに流れていました。

なんどもなんども阿賀野川を渡ります。何度見てもたおやかに流れている、阿賀野川。車で来たときは一瞬しか見れなかったところを、ゆっくりと、お酒を呑みながら、味わい、撮影して写真に残すことができる。素晴らしきローカル線の旅。

母は初めて乗ったそうなのですが、えらく感動していました。今まで散々乗り鉄したのに、磐越西線が一番すごい、と。いや、まだすごいところあるんだけど、確かにここは素晴らしいところです。また来たい。

GV-E400の車内です。キハ110とほぼ同じデザイン。でもキハ40の後継機種なんだとか。赤のシートは新潟区、秋田に行くと青になるそうです。今度は秋田線も乗ってみよう。赤いシートは、車窓の美しい緑色とのコントラストも素晴らしい。興奮してお酒飲んでいる場合ではありませんよ。

阿賀川

何度も穏やかにカーブしている「阿賀野川」ですが、会津に入ると名称が「阿賀川」に変わります。なぜかはわかりません(^^;会津のほうが雪深くて寒いから「の」が言えずに短くなったのではなかろうかというのが僕の仮説です。ちなみに阿賀川ってどこから流れてきているか知っていますか?知ると驚くと思います。そんなに遠くから何日もかけてよく流れてくるよね。川は最高に面白い地理学の先生です。物心付かないうちから好きでした。

このあたりは一度国道49号線から、飯豊連峰の麓の方を走る国道459号線に入り、途中で列車と分かれて山都駅まで行くのですが、その三桁国道がなんとも味わい深い風景で大好きでした。列車から見る風景も、その時の記憶通り、最高の風景でした。

野沢駅

野沢駅を過ぎて、荻野競艇場です。こんなに山奥の川なのに、河口近くのような穏やかな大河の風景です。

しかし8月の豪雨で不通区間になってしまいました。。

その後、山都駅喜多方駅を通って会津若松駅へ到着。長いけどあっという間の3時間余りの列車旅でした。

会津若松駅

さっそく行きつけの権兵衛さんへ。会津の酒に舌鼓を打ちます。赤べこのお猪口が更にお酒を美味しくしてくれます。まずは会津中将の新作から。

会津に来たら馬刺しですが、仕入れにこだわっている権兵衛さんの馬刺しは今まで食べたことない味わい。それから納豆天ぷらが美味しい。納豆が嫌いでも美味しくサクッと食べられます。日本酒に合いすぎる~。

ということで、第一回は会津若松で終わりです。

次回は会津若松より、JR、会津鉄道野岩鉄道を乗り継いで栃木県まで行ってきます。

その後、郡山へ出て福島へ向かい、飯坂温泉で泊。

そしていよいよ奥羽本線に乗って峠駅を通り、米沢を目指します。