Turn by Turn Navigation(交差点誘導ナビ)とは?
いわゆる、音と矢印で曲がるべき方向を案内してくれるシステムで、アメリカのカーナビなどではメジャーな方式です。日本の道ではアメリカの道のように碁盤の目にはなっていないことの方が多いため、日本のカーナビではメジャーではありません。そもそも日本語訳も適切なものがないのですが、ここでは動作イメージを表して「交差点誘導ナビ」と表記しました。
Turn by Turn Navigationをトレイルランで使うとどういうイメージ?
都市部の舗装路を走るランニングであれば曲がり角はある程度明確ですが、トレイルランのように直角でない曲がり角や、複数の道がある場合、登っている場合などはどうでしょう。それに地形が見えない中で果たしてどの程度使えるのか。興味津々です!
suuntoのパートナーアプリはたくさんある
suuntoにはパートナーアプリがたくさんあり、クラウドサービス上でデータ連携ができるのですが、suunto appに登録すると無料で使えるクーポンが山のように送られてくるので、実質、Stravaを始めとする世界中のスポーツ分析系アプリや地図系アプリが無料で使いまくれるのです。夢のような実際の話で感動しました。ですが、英語が読めないとなんだかわかりにくいのが多いのも事実。日本語訳がいまいちわかりにくいものもあり、少し取っ掛かりの難易度は高いかもしれません。Windowsの代わりにLinux使おうとしたときと同じような感じ。まあ、慣れれば問題はありません。早速見ていきましょう。
suunto appにサインアップすると、「バリューパックはこちら」というメールが送られてきて、たくさんの無料クーポンコードが記載されています。
StravaやReliveなどのメジャーアプリも入っています。
Turn by Turn Navigationを実現するパートナーアプリkomoot
バリューパックのパートナーアプリ一覧を見ていると、その中に、Turn by Turn Navigation(音で方向指示をしてくれる機能)が使えるkomootというアプリがあり、無料クーポンが2つももらえます。これはリージョンバンドル(地域の地図)が2つ無料のようです。
早速iPadのAPP Storeからダウンロードして登録。最初ドイツ語だったので少しビビりましたが、英語表記を選べるので大丈夫です。まあ、今どき翻訳機にかけても良いし、そもそも翻訳しなくても、やりたいことは単純なので、だいたい想像できると思います。
suuntoのホームページには「トレイルランニングも簡単にナビゲートできる」と書いてあります。本当かな?グラベルライドとあるし画像もどう見てもマウンテンバイクなので、期待値はますます高まります。マウンテンバイクで行けるのなら、それより遅いトレイルランニングならもっと使えるよね!
このようなウォッチ画面になるみたい。ちょっとダサいかな?矢印がなくて「右」って。。。「左」と区別はつくのかな?黒と青の色は変わるのかな?音とバイブが右と左で変わるのかな?鋭角や鈍角や複数の道の場合、どう表示されるのかな?いろいろ判別方法の体験を想像してしまいます。こういうのはUX/CXが一番肝心ですからね。
komootの設定方法は簡単
設定の手順はとても簡単です。スマホのkomootアプリから設定したいコースのGPXファイルをインポートし、saveするだけで、turn by turn navigationが使えるようになったルートデータを生成でき、それが自動的にsuunto appに同期されます。
そしてsuunto appを開いて「ウオッチで使用する」と共に新しく表示されるようになった「Turn by Turn Navigationを使用する」ボタンをポチッと押すだけでsuunto 5 peak上で選べるようになり、スタートを押すだけでturn by turn navigationができてしまいます。
以下、具体的な設定方法です。
komootアプリの設定
まず最初はリージョン地図を選択。私はKantoとTokyoを選びましたが、最初から一つ無料なので、合計3つ選べるようです。TokyoはKantoに入っているなぁと後で思ったけど、一度選ぶともうリリースできないので、致し方なく。まあ使えるようなら購入するでも良いですしね。この作業は一回だけです。
suunto appと同じように、OneDriveからGPXファイルをインポートして進めると、このような「ルーティングの課題解決」なる画面が出てきて、GPXファイルの通りにするか、komootが自動的に別の最適なルートに設定し直すかを聞いてきます。試しに後者を選んで見たら、山道は入っていないところが多いようで、かなりグチャグチャな遠回りになってしまったので、改めて前者のOriginal Routeを選択しました。
それでOriginal Routeを選択すると、自動的に曲がり角が設定されて黒丸の番号が付与されます。合っているのか微妙だなぁというのが正直なところ。。明らかに知っている曲がり角にはないし、どう見ても数が少ない。おそらく、手動で補正すると良いのだろうけど、そんなめんどくさいことができないぐらい曲がり角あるし、この彩の国コースなら曲がり角を知っているけど、そもそも知らないトレイルの曲がり角を設定するのは、この地図からは無理です。なので、自動生成のまま保存します。
suunto appの設定
さて、komootでルートを保存すると、すでに同期設定がされているsuunto appにクライド間で同期されます。何も操作は必要ありません。
また、私の場合、iPadのkomootで保存し、ウォッチとの同期設定がしてあるiPhoneのsuunto appから開いていますが、開いたらもう同期されています。
そして、上記の画面にあるように、これまでなかった「ターンバイターンガイダンス」という項目が増えていますので、このボタンをポチッと押して緑色にして、「ウォッチで使用」もポチッと押します。これだけで時計に同期されます。素晴らしく簡単ですねぇ。
実際にトレイルランで使ってみたときの画面!
で、早速スタート。答えはこれです!ガーン!
まさかの、右と左が同じ画面、色、音、そしてバイブです。ブーっと一回バイブがなるだけ(音を出しても一種類)で、この画面が出るだけ。約5秒表示されますが、その後消えたら、もう見ることはできません。ヲイヲイ、肝心の右か左かの文字が小さすぎて見えんわ。。それに、なんのためのOLED画面採用なんだか。青一色だけの仕様ってあり得ない。。。右が青でバイブ1回、左が赤でバイブ2回、事前警告30m前で通知し、直前3mになったらバイブ3回。文字をなくして大きく色付き矢印をつける。それで良くないですか?
ちなみに、たまにこんなのも出ます。分岐点ってどんな分岐点??右と何が違うのか?判断できます??(ちなみにただの右方面の道でした)
他にも文字がいろいろ出ますが、走りながら見れません。見えてもどうすれば良いのか瞬時にわかりません。
もう一点、POI(Point of Interest:目標物設定)も全く同じデザインで出てくるので、「川」とか「公園」とかも表示されて、一緒に設定してしまうとかなり見にくくなります。
その他、使った感想を書いておきます。
・そもそもバイブがなった瞬間に、そこに道が見えない場合があり、あとどのぐらい走ると分岐があるのか不明なときが多かった
・バイブがなったときに、すぐ右に道があることもあり、その場合、急ブレーキをかけるか、「あれ?もう一つ先かなぁ」と進んでしまい戻る羽目になることもしばしば発生
・バイブがなったとき、緩やかに右の道と、右90度の道があった場合、どっちの右かが判断できず、結局iPhoneを取り出して山地図を確認することに。。。
・バイブがなって道がないので走り続けても、全然右の道が出てこないときがあった。
・右って表示されてるけど、どう見ても左にしか道がない時があった。
・明らかに曲がり道なのに案内がない。不安になる。。。ターンバイターンナビゲーションがあるからと安心して地図も地形も頭に入っていない。だからiPhone取り出して山地図見ても、いつもよりも状況判断が瞬時にできなくなっている。。。
・ブーっとなると、いちいちウォッチ見てブレッドクラム画面を確認するから、路面や地形を見てない時間が増えて、ちょっといつもよりもスピードが遅い。。
まとめ
・ターンバイターンナビゲーションを使うまでの設定はすごく簡単
・肝心の確認画面デザインは残念ながら一種類で、右なのか左なのか、ウオッチ眺めるだけではわからない場合が多い
・地形が出ないから、このウオッチだけを走りながら見て正しい道を判断するのが困難
・結局iPhoneの山地図アプリと併用は必須
・逸脱アラート(50m)の前に分岐点で気がつけるかなと思ったけど、分岐点を正確にkomootで記録すれば可能となるかもしれないが、膨大な設定時間が必要
・豪雨でiPhoneが出せないときには分岐点が確認できるが、そもそも豪雨時にナビに頼っていて頭に地図が入っていないとしたら、それは生きて帰れないかもしれないことを意味すると思われます
今後の展望
ということで、今のところは活用は難しいと思いました。でもターンバイターンナビは正確性が増せば使いようはあるので、以下の2つを試してみたいと思います。
1)komootアプリで本当に必要な分岐アラートだけを手動設定する。ただしこれは本当に必要な分岐の場所を正確に把握している場合のみ有効なので、把握した時点で頭に入るから、あまり意味がない気がします。
2)スマホのスーパー地形アプリにも「ルートナビ」機能があるので試してみる。同じように手動設定するならば、豊富な見やすい地図が選べるカシミール3Dベースのスーパー地形の方が使いやすいと思ってるので、こちらでも試してみます。