たりぃさんの山旅

山旅を愛するたりぃさんが超軽量の道具とデジタルガジェットを使って奥深い山域を旅します

suunto 5 peakをトレイルランで使う - ルートナビゲーション

suunto 5 peakにはGPSとルート情報を元にしたNavigationシステムがついています。これを、トレイルランでよくありがちな、高低差があり、進むべき道が明確でなく、グネグネしているところで使えるのか検証してみました。

suunto 5 peakのルートナビゲーション

ナビゲーションを開始する

ナビゲーションの開始方法は、以前書いたこの記事を参考にしてください。

ナビゲーション中にルートを外れたところの表示

このように中心地からハズレた場合、ルートが中心地を通っておらず、別の右側の道であったことがわかります。しかしアラームはならず。。これは仕様上100m逸脱しないとアラームがならず、このときは43mだったからです。

ルートを外れたところでスマホを取り出しスーパー地形で確認してみる

同じ場所をスーパー地形アプリで確認すると、43m逸脱していた事がわかります。スーパー地形は太い濃い赤色で逸脱線を表示してくれるので、パッと見てどの方向へどのぐらい戻るべきかが一瞬でわかります。また、自分の向かっている方向もわかり、逸脱距離も正確にわかる(43m)のです。GPSの受信状況によって左右されるGPS精度もわかります。

スーパー地形の優秀な表示に比べると、suunto 5 peakの表示は一目ではわからない感じになっています。

なお、比較のため、山地図を表示しない状態でスクショしています。

登山道を外れて根っこだらけの尾根道に入っていくシーン

登山道は大きく右にカーブして下っていきますが、実は尾根道をまっすぐ行く、この根っこだらけの道が正解なのですが、こういう道はトレランのレースでは結構あることですよね。しかしテープも見つからず、気持ちよく走って通過してしまいました(^^;

下りを50m降ったところでスーパー地形が逸脱アラートを出してくれて、泣く泣く登り返して復帰しました(スーパー地形の逸脱アラートは10m/20m/50m/100m/200m...と設定できます)

suunto 5 peakだと100m下らないと逸脱アラート(オフルートと表示されます)が出ないので、更に下っていたところでした。

簡易表示だと迷ってしまった分岐路のケース

ここは、崖上に左にカーブして登りその後右に進むのが正解なのですが、進行方向矢印は、緩やかに右カーブ表示になっていました。

写真に写っていない右手には別の作業道があり、当初そこに入ってしまい(ブレッドクラムが表示されていますよね)、その後は、左にあるダブルトラックに入ってしまい(これもブレッドクラムが表示されてます)、こういうシーンではやはり標高のわかる地形図が表示されるナビでないとすぐに確定するのが難しいですね。わからない場合はすぐに地形図!やっぱり山は地形を読むのが第一です。

 

suunto 5 peakの基本性能

気圧計がないsuunto 5 peakのGPS高度計精度はどうなのか

飯能アルプス天覚山の北にある大高山493mでの実測値は497m。わずか4mの誤差ですよ。素晴らしい精度です。もはや気圧計GPSよりも精度が高い状況になっています。この精度を可能にしているのは日本上空真上に位置する準天頂衛星システム「みちびき」のおかげですね。みちびきは一般的にはGPS信号を補足し易くするシステムと理解されていますが、何がすごいかといえばその精度で、理屈では2m程度の垂直誤差に収まるし、更に性能的にはCM級の精度も可能とする能力を持っていて、将来、航空機やドローンなどを正確に運用するための仕組みも用意されています。

さらに、補正のために必要な高精度なジオイド高モデルが国土地理院によって2024年までに整備されるので、非常に楽しみです。もう、GPS高度計は気圧高度計に劣るから信用できない、という認識は技術革新によって完全に過去の産物になりつつあるのです。

高度グラフを表示して、どのぐらい登ってきたのかを可視化する

山頂まで700mアップ。今何メートル?そして残りは?頑張ってきた自分の現在地を知ることで、残りの登りのペース配分を調整し、行けるという安心材料を手に入れることでモチベーションになることが多く、僕がCASIO PROTREK PRT-30を愛用してきた最大の理由です。

だいたい停止後15秒前後で標高数値が安定するので、概ね衛星経由の遅延時間と言われる10数秒という数字とあっています。斜度にもよりますが、10数秒ですと10-20m程度の誤差と思いますので、問題ないですね。

GPS高度計によって測定したものをグラフ表示にする方法は以下の記事を参考にしてください。

標高ナビゲーションでルート全体の地形を把握することができる

suunto 5 peakには、標高ナビゲーションという面白い機能があります

ナビを始めると自動的に表示に加わるこの青い標高図ですが、上が現在標高、グラフが予め読み込んだルートの標高図、縦棒が引いてあるところが現在地と左側が進んできた標高図です。

そして一番下の数値が残り累積標高差です!これがすごい。右のボタンで残り累積標高差を登りか下りに変更できます。この写真は登りの残り累積標高差です。これから向かう彩の国トレイルランニング100mile&100kmのSouth1コースを出発した際に、累積標高差(登り)が残り2,581mであることがわかります。登っていくと数値がどんどん減少していくのがわかるし、どんな登り下りがあるのかがわかるのは、残りの体力をどこに使うのかを知るのにものすごく重要なことで、完走を目指すためには最も重要な機能といっても過言ではありません。従来は印刷した標高図で把握してましたが、これからは時計一つで把握できてしまいます。いやー、ダメ人間になりそうなぐらいに便利ですよ、これは。

こちらが今回試走した彩の国トレイルランニングのSouth1のコース。きつさ半端なく、天覚山と竹寺以外は登山者もいない山域。でもなぜか走り終わったあとは爽快感がハンバない。いつ行っても、冒険心を掻き立て、作戦変更を求められ、己の限界というものを常に意識させられる♪

Suunto 5 PeakのNavigationまとめ

今回本格的なトレラン的グネグネ道で使用した感想としてですが、最低限、現在地がルートから外れているかどうかはなんとなくわかりますが、道案内として単体で使えるのかというと微妙でした。

逸脱アラートが25-50mぐらいで出るようにカスタムできれば良いのですが、そうでないならTurn by Turn Navigation(進行方向指示ナビ)が利用できないと道案内としては微妙ですね。

実態

よって、このようにsuunto 5 peakを見て、あ、外れてる、とおもったらスマホを取り出してスーパー地形で、地形や逸脱距離/方向を確認するのが今の使い方です。

でも実はあるんですTurn by Turn Navigationが。これは別記事で書いたので紹介します。

いいところ

・ルートが現在地にあるのかないのかはわかる(外れたらわかる)

スマホを取り出さなくても、腕を前方に伸ばすだけでルート外れが確認できる

微妙なところ

・結局、スマホでスーパー地形を見て判断せざるを得ないことがしばしばある

スマホバッテリーの節約になるとは思うけど、コネクテッドGPSを使っているせいか、スーパー地形利用時のバッテリーの減りが約2倍になる(画面表示が減るので全体としては持ちます)

・100mルートから逸脱しないとアラームがならない固定距離仕様なので、100mも下ったり登ったりしているトレイルランではおそすぎる。25-50mぐらいでアラートしてくれないともう戻りたくないぐらい下ってしまっている

・行くべき方向に白い矢印が出るが、矢印が最大2つしかでず、要約されてしまうため、左に曲がってすぐに右に曲がるような道は、右だけになってしまい、複数の鈍角の分岐道などでは選べないことが多い(結局スーパー地形を取り出す)

・地形表示がないので、尾根を通るのか下るのか登るのかが不明で、ルートが正しそうかどうかが走りながら判断はできない

suunto 5 peak カラーバリエーション

バンドとともに、本体もいろんな色が楽しめるのがsuuntoのいいところ。