たりぃさんの山旅

山旅を愛するたりぃさんが超軽量の道具とITガジェットを使って奥深い山域を旅します。

上州武尊山スカイビュートレイル70 2018③中盤の片品スキー場に差し掛かったところです

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さて、唯一知ってる尾瀬岩倉スキー場をなんとか超えて約27km来ました。いや、まだ27km、中盤と言えるのか疑問ですが、気持ちとしてはもうかなりお腹いっぱいな感じでした。この標高地図で赤丸をつけたところは、傾斜が厳しく、気合が必要な個所ですが、このレース、なんとスタートからずっと傾斜がきついところが50kmまで続くという、素敵なレースなのです。その、まだ半分ちょっとです。先は長い。

次は片品スキー場を超えます。ここを超えるとA4エイドでFantrailsのおっくんこと奥宮さんが待っているはずで、少し楽しみにしているエイドでした。尾瀬岩倉より距離も標高も短いから比較的楽勝かもね、とか思っていた自分の前に、壁として立ちはだかる片品スキー場のゲレンデ。ここを登らせようと思いついた人すごいな。ほんと尊敬する。普通は登ろうとか思わない斜度と景色だよ。ここも悶えて立ち止まっている人だらけ。そんな中を白馬八方尾根スキー場のイメージで追い抜くんだ!と踏み出して見たものの、10歩ほど進んで「もう無理」と確信した。もうジグザグでやっと登れる壁。でも超狭いんだ、このゲレンデ。しかも荒れ放題。間違いなく歩く人がいるのは1年でこの日だけ。もう、プライドとか何もない。後ろからくる120kmの人達もそうしてる人がいる。とにかく横に振ってなんとか推進力をもって上に進むしかない。これ以上辛い登りを登った覚えがない。でも泣き言を言っても仕方がない。何人にもパスされてやっと頂上のリフト降り場にたどり着いた。

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そうしたら、想像通り、その後は壮大なゲレンデの下りの風景だった。きっとスキーの季節に来たら最高に気持ちのいい風景なんだろうなぁ。そういう風景で、これはこれで良かった。でもね、足が辛くて耐えられないんですよ。軽量女子にもガチおじさんにも軽々抜かれる。原因はわかってる。僕はベスト体重から7kg程太ってしまったから、その重さの全てが膝への衝撃として一歩一歩響いているんだ。僕を抜き去っていく軽量女子はおそらく僕よりも20kgは軽いだろう。米袋2つ分も背負っている僕の膝の衝撃と言ったら!!思えばこのレース、太っている人を1人も見かけていないんですよね。でも、このゲレンデを下っているとしみじみ実感します。そりゃあ無理だよね、太っていたらこの下りの衝撃に耐える術がない。ああ、知ってるよ。でも太っているんだよ。もう!どうする!?僕は屈辱的ながら、ジグザグに降りて行くという選択をするしかなかった。その広大なゲレンデを降りるのに足を温存するにはそれしか方法が思い浮かばなかった。ひたすらバカみたいにジグザグをくりかえして、目の前にあるA4エイドに向かって降りる。屈辱など忘れて集中して下って行くと誰かハードロックを流しながら叫んでいる人がいる。おっくんかな?そう感じていながらも集中して捻挫しないようにジグザグ降りをしてやっとの思いで、恥ずかしながら薄っすら涙を浮かべてたどり着くと、本当におっくんだった!おっくん、写真で見るよりも身体も顔も特大!!(笑)思わず指をさしてありがとうって言っちゃった。この人、自分が出迎える事で勇気をもらえる人がいる事がわかっているんだね。ものすごく勇気をもらえたよ。ありがとう!


A4に到着。だけど疲れ過ぎていて、もう15分は休むと決めていた。だってさ、こんなに辛い気持ちなのに、わずか31kmしか来てない上に、ラスボスのオグナホタカスキー場を含む登り路があと3つもあるんですよ?アンビリーバボー。こんなに読めないレースは出た事ない。でもね、こんなに前半で辛いから、ここでタイムを稼げば後半のフラット路は楽ができるかも、とこの時は考えていた。フラット路。標高地図ではそう読めたんだ。後にそれが錯覚と思い込みだったと知ることになるなど、この時は思ってもいなかった。まだ、余裕があったんですよ。気持ちには。


休んでいる間に鈴木貴広さんが来た。いやー、辛い事を知っていたのかな、存分に休んで行くという。僕も少し真似をしたが、少しでもタイムを稼ごうと先に出発したんだ。たぶんね、思い返せばこれが良くなかったんだと思う。体が動くからと先を急ぐのは得策ではない。来年の僕に向けてのメッセージ。存分に休むべき。

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次の登りまではフラット路。少しでもロードでタイムを稼ごうと歩かずに走った。たぶんキロ6分後半ぐらい。砂利とアスファルトで快適に走った。現地の幼稚園児も応援してくれる。ああ、なんだか実家の山形を思い出す風景。よく僕も田んぼのあぜ道で遊んでいたなぁ。そんな感じで何人も抜いて少しいい気になってしまっていて、林道登りに差し掛かり、競歩歩きをしていると120kmの選手が走ってきて何人も抜いて行った。すごいなあ。僕も見習わなくっちゃ。そう思ってひた走った。僕も走れる。でもね、それはたぶんやるべきじゃなかったんだ。その先にそびえるオグナホタカを考えたら、体力を温存した方がよかった。でもその時はまだ気持ちよく走れていたんだよね。


林道を登りきり、比較的激坂を下り切るとW2に到着。もうほんとうにヘトヘトになっていた。水しかなので、ぶっ倒れる事にして10分程大の字で倒れてみる。回復した?いやー、変わらないなぁ。そんな事をしているとまた鈴木貴広さんが到着した。いやー、ほんと疲れましたね〜とか会話しつつ、彼はじっくり休むという。僕ももう笑顔で写真とか無理になっていたので、同調してゆっくり休む事に決めた。だって次はラスボスのオグナホタカだし、まだ37km、まだ半分しか来てないのに10時間をとっくに過ぎてますよ!うそでしょ、もう70kmぐらい走ったぐらいの疲労感ですよ。もう半分行けるかな。最後がフラット路なら歩いて行けるかもしれないけど。。。ヤバイレース出ちゃったなぁ😰今頃やっと気がついても後の祭り。もう行くしかないのである。
貴広さんが歩いても行けるタイムだというので頑張る事に決めた。知り合いがいて本当に良かった。
マーシャルのおじさんも、70組は約2/3通過したよと教えてくれた。66%か。結構前の方を走ってるから余裕があるな。そしてW2の元気な地元中学生の声に元気をもらい、オグナホタカの登りに取り付いた。


僕は2週間前に白馬国際54kmに出て、楽に75km行くための練習をしたはずだったんだ。だから泥のヌタヌタ路もロードもゲレンデ登りも練習して比較的楽にレース運びが出来ると思っていたんだ。それが、前半も終わらないうちに甘かったと思わざるを得なかったレース。


でも後半戦も全然楽じゃなくて、この記事書いていて涙が出てきちゃった。ここから先は全てが辛い場面ばかり。どこでリタイヤするかと真剣にそればかり考えていた。


改めて何が楽しかったんだろうか。書いていても良くわかりません。一方で、こんなに振り返りや、課題があるレースも珍しいのではないでしょうか。でもね、走っている時は二度と出るもんかと本気で思っていたのは事実。ITRAの4Pがなかったらリタイヤしていたと思う。


次はラスボスに取り付きます。④へ続く。

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